Pagoda(パゴダ)

スリランカ占星術を受け、自分用にお守りリングを製作したいと思い立ってから約2年。

ざっくりとしたイメージは頭の中にあったものの、少し手をつけてはほったらかしてを繰り返しながらやっとこさ完成したリングです☆

はじまりはスリランカで宝石のカッター達からPagoda(仏塔)の頂上にクリスタルや宝石が飾られていると聞いた時。
この構造をいつかリングにしてみたいなと思いつつ、いつかいつか、、と今に到りました。

以下、私調べになりますので間違っていることもあるかもしれませんがあしからずで、、ごゆるりとご覧頂けたらと思います☆


Pagoda(パゴダ)とは
スリランカやミャンマー、タイなどの歴史的に上座仏教が広まったと伝えられている東南アジアの国々に残る「仏塔」のことです。
*” ストゥーパ “や” ダーガバ “、”ダゴバ”、” ゼーディー “、“ パヤー “など各現地の言葉で呼ばれることもあります。

パゴダは、仏像誕生以前の仏教徒にとっては中心的な礼拝対象でした。その形は半球形が主で、周囲を巡る礼拝を前提として築造されましたが、その後 各地への仏教の伝播の中で、それぞれの地域でその土地の文化や時代によって多様な姿の仏塔に変化していきました。

Abhayagiri dagoba / SriLanka
ruwanwelisaya dagoba / SriLanka
SriLanka
SriLanka
shuwedagon paya / Myanmar
パゴダの下/ミャンマー
shwezigon paya / Myanmar
san ta pha daeng / Thai(sukhothai)
wat sra sri / Thai
htilominlo / myanmar

ミャンマーの”htilominlo(ティーローミィンロー)”は、エーヤワディー川中流域、その東岸の平野部一帯約40㎢のエリアにある大小様々なパゴダが林立するBagan に建ち、寺院を損傷から守護するために描かれた 呪術的な占星術のホロスコープが壁画に残されているパゴダです。

Bagan/myanmar

現代では 
“パゴダ”は、エネルギーを渦の形で生成し、そのエネルギーをアクティブ化したり、蓄積、伝導、変換や操作する装置のような造りとなっていて、仏塔の形の中には世界中に残るピラミッドと同じ形状が組み込まれている”ということが少しずつ研究されています。

Pagoda(パゴダ)の下段の階段は、メキシコのテオティワカンにある太陽のピラミッドと一致する30度から36度の浅い傾斜角を持ち、そこから生まれるエネルギーの渦は地球全体に広がると考えられています。

リングの石座になる部分は、石の高さや大きさの関係で正確な角度までは再現できませんでしたが、昔訪れたミャンマーのパゴダの形を参考に石に合わせて指の上にひとつのパゴダを建設するような気持ちで作ってもらいました。

リング自体は、この世界を構成していると考えられている五大元素(地・水・火・風・空)を象徴する”形”を使って小さな宇宙のようなリングをイメージしてみました。

石座の部分は、”地”
アームの装飾1 は、”水”
アームの装飾2は、”火”
アームは、”風”
リングの周囲は、”空”

というイメージで作ってみたのでひとつひとつのパーツずつご紹介していきたいと思います☆

全ての元素の中心で最も安定的な”地”の性質は、石を支える石座にピッタリ☆と思い、、このリングの石座の部分は、五大元素の”地”の部分をイメージしました。

そして、自分の指の上にそびえ立つmyパゴダにはスリランカ占星術で選定された守護石”イエローサファイア”を☆

そして
アーム装飾1の部分は、五元素の”水”の部分。
“水”は、物質の形を柔らかく扱いやすいものに変えたり、湿気を保つことで 物質が砕けてしまうのを防ぎ、流動的で変化に対して適応する性質がある元素といわれています。

この”水”の部分は、”マカラ”をイメージしました。

Makara / SriLanka(kandy)

マカラは、ヒンドゥー教の神話に登場する伝説の海の生き物で、象やワニのように尖った(長い)鼻を持ち、とぐろ巻く尾を持つ怪魚や、ワニとライオンの合成獣として表現されます。
玄関や敷居の守護者として玉座の間や寺院への入り口を保護するために門や装身具の装飾に用いられてきた歴史があるので、私のリングのエネルギーの循環の入り口のような石のサイドにも居てほしいなと思いました☆

Maha vishnu devalaya / SriLanka

そして、
アーム装飾2の部分は、五元素の”火”の部分。
水と火は、対照的であると同時に相補的であり、お互いに引き合い結合して物質を生み出します。
錬金術における記号でも
水の記号(▽)は火の記号(△)と重なって、大宇宙を象徴する六芒星となります。

このリングでの”火”の部分はスリランカの伝統的な儀式に使われる”ラクシャマスク”をイメージしました。
*撮影した写真が白黒カラーのマスクしか見つかりませんでしたが通常は隣に少し写っているような赤色のマスクが多いです。

raksha mask / SriLanka

現代では、多くの祭りや文化舞踊で使用され、観光業や施設の展示、お土産などとして販売されているラクシャマスクですが、元々は病人を癒すための伝統的の儀式に使用されていた歴史があります。

このラクシャマスクの持つ”悪を追い払う感情的な怒り(激しさ)”を”火”の象徴とし、地に水が加わり生まれたエネルギーをまずは浄化し、より純粋で完全なものにしてくれるように、、と 水の装飾の隣に火の装飾を加えました。

そして
アームの部分は、五元素の”風”をイメージしました。
どこまでも上昇する火の性質に対し、風は一定以上上昇することはなく、火の力を和らげる性質を持ちます。
密教で説く五大(地・水・火・風・空)は、それぞれ(地→方,水→円,火→三角,”風→半円”,空→珠の形)で表し、
曼荼羅の形としての”半円”も
“不完全さを象徴していると同時に、さらに 発展する余地を残している”
という象徴の形とされているので
アームの形は”風”を象徴する”半円”に☆

そして最後に”空”
これは実際にはあるけれど見えないところ、、私にもまだ見えませんが、、リングの周囲にあるとイメージしています。
もし、そこに何かがあったとしても そのものを見る気がなければ無かったのと同じ、、、というような見ようとすることで見えるようになる意識(心の働き)と同じで、現実世界に存在する”地・水・火・風”の現実に存在する、四元素から意識の世界の存在”空”を含む五元素の性質を理解する心はその後の意識の広がりにも繋がると考えられています。

五大元素のそれぞれの主な特徴は、
地…地球や土を意味する動きのない性質
水…流動質で常に変化し続ける性質
火…何かをするための動機づけやその発端となる性質
風…常に成長し、拡大しつづける性質
空…サンスクリット語でĀkāśa、般若心経の虚空の意味とされる性質(意識することから広がる)
となります。

この五大元素の持つ、関わり合うことで お互いを活かし、また相反する性質によって万物が成り立つ性質は、人間の身体や心、生まれ持った性質にも大きく影響を与えているとされ、自然哲学として探求されています。

私が受けたスリランカに古くから伝わる占星術もそのひとつです。

占星術で選定された宝石を何か意味のある形に落とし込みたいと思いPagoda(パゴダ)のイメージと五元素のイメージをひとつのリングに形として落とし込みながら、お手入れのし易さなども考慮して少しずつ少しずつ完成させました。

リングの写真はこちらからご覧いただけます

まずは私物リングとして製作した為、商品としてこのリングと同じようなデザインでの加工はまだ考えておりませんが、もしもご要望があるようでしたらお気軽にご相談いただけるととても嬉しいです。


終わりに❤︎
このブログに掲載した写真は、私達が宝石の勉強や買い付けに訪れた国々で撮ってきた写真になります。
この写真を撮った時はこのリングを作るなんて考えてもいなかったのですが、、
過去の経験が今の自分の基になっていて、無数の点が繋がったような感覚で、それがリングという形になって自分の指にあるって、、とても嬉しいことだな♪と思いました☆

ということで これからも皆さまの身近な宝石商としてまだまだ精進して参りますのでこれからもどうぞよろしくお願いいたします♡

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

それではまた♪

Houseki Dealer


追記
このブログをご覧いただきさまざまなパゴダリングを制作させていただきました☆
誠にありがとうございます。