キングサファイア (パパラチアサファイア)
スリランカの宝石商やカッター達の間で “キングサファイア” と呼ばれているサファイアは、オレンジピンク〜オレンジレッドの色味のサファイアで、”パパラチアサファイア”とも呼ばれています。
市場で “パパラチアサファイア” と呼ばれているサファイアは、各国や宝石団体で決められたオレンジサファイアとピンクサファイアの中間に位置する”パパラチアカラー”と認定される狭い色域が定められており、その “パパラチアカラー” の色域は国や団体によっても基準が異なります。
海外でパパラチアと鑑別が出た石でも、日本の鑑別の基準ではパパラチアと認められない事があるのが昨今の現状です。
日本のパパラチアの基準はとても厳しくて、どちらかというと “彩度が高すぎないピンク寄りのオレンジピンク” がパパラチアとされています。
現地では、オレンジピンク〜オレンジレッド系の比較的広い色域のサファイアがパパラチアサファイア(キングサファイア)と呼ばれ、古くから伝わるスリランカ占星術で選定される宝石としても使用されてきました。
パパラチアサファイアは、アルファベットではPadparadscha Sapphireと表記されますが、語源は古いサンスクリット語のpadmaraja”蓮の王”という意味の言葉になります。
padmaは、pad(歩く/行く)+ma(水)で「水中を行くもの」という意味になります。
蓮は泥水の中で成長するにも関わらず、力強く美しい花を咲かすその姿や特徴が真の信心を表すという事から昔から大切にされてきた植物のひとつで、紀元前2世紀頃の古い文献にもインド人仏教僧ナーガセーナ長老の「水中に生じ、水中に成長するが、水に汚染されぬもの——それがPadma(蓮)である」という言葉も残されています。
上記のようにpadmaは「ハス」、
そして後のRaja は「王」という意味の言葉になります。
現地のカッターや宝石商が海外のバイヤーにこのハスの花のようなオレンジピンクの色味の石を紹介するときに英語にし、
“King Sapphire (キングサファイア)”と呼ばれるようになったそうです。
ここからは個人的な意見になりますが、
産出が稀少なゆえ”パパラチアサファイア”という名前が先行してしまい、色名の分類がややこしくなってしまったオレンジピンク系のサファイア達ですが、何かの基準で決められた色域の”パパラチアサファイア”だけに価値があるのではなく、淡い色味のものやオレンジとピンクのバランスが決められた色域以外のものもそれぞれが稀少で魅力溢れる石だと思います。
スリランカ占星術でも”キングサファイア(パパラチアサファイア)”が選定される事がありますが、守護石として選ぶ場合は”火星”のようなエネルギーを宿している石の方が適していると思うので、個人の波動やホロスコープにもよりますが少しオレンジレッド寄りの珊瑚のような色を宿したパパラチアカラーを選ぶのが良さそうだなと思っています。
可愛い印象の淡いオレンジピンクから力強い美しさのオレンジレッドに近い色味まで様々な雰囲気を持つ石がありますので ぜひお好みのオレンジピンクと出会い、楽しんで頂けたらと思います☆
Houseki Dealerのショップでは、現地の人達が受け継いできた文化を尊重し
日本の鑑別期間で認められたものは
「パパラチアサファイア」
日本の鑑別期間でパパラチアサファイアと認定されなかったオレンジピンク系のサファイアを
「キングサファイア」
として取り扱っていきたいと思います。
shopにキングサファイア(オレンジピンクサファイア)を追加致しましたのでぜひご覧頂けたらと思います。
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