グランディディエライト

Grandidierite_15

宝石名:グランディディエライト(Grandidierite)
鉱物名:珪酸塩鉱グランディディエ:(Mg,Fe)Al3(BO4)(SiO4)O
比重:2.98
硬度:7.5
結晶系:斜方晶系
産状:ペグマタイト
主な産地:マダカスカル・スリランカ・アメリカ・ドイツ等

 


 

グランディディエライトは1902年にマダガスカル南部海岸、アンドラホマナ(Andrahomana)の崖で発見された世界的に希少な宝石です。

 

マダガスカル政府が「国の宝」としてマダガスカル産原石の国外への輸出を制限、規則し、流通経路が限られてしまった為、極めて入手困難で希少なレアストーンと云われています。

 

産出は、世界の約50ヶ所から報告されていますが、その中でも宝石質のグランディディエライトは特に希少でマダガスカル、スリランカ等から産出しています。

 

基本的に不透明石が多く、ほとんどに内包物が多く含まれていて、カットを施せるレベルの宝石質結晶は少ないです。

 

グランディディエライトの名は、フランスの博物学者でマダガスカルの地質や自然史を研究した「Alfred Grandidierアルフレッド・グランディディエ」に因んで名付けられました。

 

彼は絶滅したエレファント・バード(象鳥)エピオルニスの骨の発見にも貢献し、『Ethnographie De Madagascar』を制作したメンバーの一人です。

Grandidierite_3

Grandidierite_4

Alfred Grandidier(1836-1921)

 

グランディディエには兄Ernest Grandidierがおり、フランスの裕福な家庭に生まれた二人は世界中を航海しました。

Grandidierite_5

兄、Ernest Grandidier (1833–1912)

最初は天文学者で物理学者のPierre Jules César Janssen と共に航海を始めましたが

 

 Pierre Jules César Janssenは体調を崩し、約半年後にフランスへ帰国。
グランディディエ兄弟は旅を続けました。

 

彼らは1858年と1859年に南アメリカのアンデス山脈(ペルー、チリ、ボリビア、アルゼンチンとブラジル)を訪問しました。

 

この後、2人は、別々に行動します。

 

兄のErnest Grandidierは中国に行き、多くの芸術品を集めました。

 

彼が集めた芸術品の数々は現在は、ルーブル美術館とギメ東洋美術館に所蔵されているようです。

Grandidierite_6

Gourde double à décor ajouré Ancienne collection Ernest Grandidier. Décor polychrome en onze registres. (C) Musée Guimet, Paris, Dist. RMN-Grand Palais / Benjamin Soligny / Raphaël Chipault 18e siècle, règne de Qianlong (1736-1795) famille rose (céramique), porcelaine fours de Jingdezhen, Chine

 

Grandidierite_7

Plat à décor de personnages L’empereur Minghuang (Xuanzong) des Tang (r. 712-756), donnant une fête aux nombreuses femmes de sa cour, debout ou placées aux balcons des pavillons. Ancienne collection Ernest Grandidier (C) RMN-Grand Palais (musée Guimet, Paris) / Thierry Ollivier 18e siècle, dynastie Qing (1644-1912) famille verte (céramique), porcelaine Chine, fours de Jingdezhen

 

 

一方、弟のAlfred Grandidierはインドへ旅立ちました。

Grandidierite_8

1860 TDM INDE ALFRED GRANDIDIER BOMBAY

 

そして1865年、Alfred Grandidierは、マダガスカルへ初めて訪れ、
1866年と1868年に島の研究をする為、再来島しました。

Grandidierite_9

Alfred Grandidier | Histoire physique, naturelle, et politique de Madagascar (1885)

 

 

Grandidierite_10

Lorises, Alfred Grandidier 1904

 

 

Grandidierite_11

Natural history, natural, and political Madagascar By Grandidier, Alfred, 1836-1921 Mabille, P. (Paul), 1835-1923 Saussure, Henri de, 1829-1905 Zehntner, Leo.

 

 

Grandidierite_12

LEMUR VARIUS var Ruber Common name Red Ruffed Lemur Lithographed by John Gerard Keulemans Published by Alfred Grandidier Paris circa 1880 in Histoire

 

 

探査の間、彼は観測しながら島を3回も横断し、将来の探検において使われる島の地図も作成しました。
そして1870年、ようやくフランスに帰国。

 

フランスに戻った後、Alphonse Milne-Edwards や Leon Vaillant 達と共に『Ethnographie De Madagascar』の制作に取り組み始めました。

 

『Ethnographie De Madagascar』は40章あり、最終章はAlfred Grandidierの死後に彼の息子Guillaume Grandidierによって発表され、およそ50の新種の爬虫類と両生類を解説しました。

 

その中にはAlfred Grandidierの名誉を讃え、彼の名前がつけられた動物や鉱物もあります。

Oplurus grandidieri(トカゲ)

Grandidierite_14

グランディディエライトもそのひとつです。

 

Grandidierite(鉱物)/Madagascar

 

 Grandidierite_16
Houseki Dealer では、グランディディエライトの中でも極めて珍しい、光学効果のあるグランディディエライトを紹介しています。

深く澄んだブルーグリーンの地色に、光と共に水面がゆらゆら揺れるような視覚効果を観せてくれる美しいグランディディエライトです。

 


参考:
Oplurus grandidieri
Alfred Grandidier
Ernest Grandidier 
Grandidierite-gia
Grandidierite-gia