スターの原理

スターが現れる宝石の原理です。

スターが現れる宝石を顕微鏡で見てみると、肉眼では見えない針状の包有物が沢山入っていることがわかります。

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[図1]

これらの針状物は 、[図1]のコランダム結晶の底面に描いてあるように、60度あるいは 120度の角度で交わる三つの方向に伸びて、平行して配列しています。
混乱をさけるために、図では六角短柱状結晶の底面にだけ描かれていますが、針状包有物は結晶全体に含まれています。
包有物の大きさも、顕微鏡で見えないほど小さい場合もあります。

スター効果が起こる原因はキャッツアイ(シャトヤンシー)の場合と同じです。
キャッツアイは、針状包有物が一つの方向に伸びて平行配列しているために、光のバンドが一本現れるのですが、スターの場合は、三つの方向に並んで入っているルチルの針状結晶に光があたって星状の三本の光のバンドが現れます。

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[図2]

[図2]に描いてあるA-A、B-B、C-Cの点線は、紙面に平行でしかもお互いに 60度の角度で交わる、ルチルの針状結晶の平行配列の方向を示しています。紙面の斜め上から図のように光線が入射して、例えばA-A方向に並んだルチル結晶にあたると、光はA’のように円錐状に散乱します。
B-BやC-Cの場合は、B’やC’のように散乱します。
すると、図に太線で示しているように、散乱光線がつくる三つの円錐は一点で交わり、お互いに 60度で交差する光のバンドになります。
その軌跡が、シヤトヤンシーの場合と同様に、カボションカットされた石の上の空間で焦点を結び、スターが現れます。

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Vincent van Gogh (1853-1890)
Starry Night
1888
Oil on canvas
H. 72.5; W. 92 cm
© RMN-Grand Palais (Musée d’Orsay) / Hervé Lewandowski

参考:
スターとアステリズム
Musee-orsay