GURUGURU PENDANT

いろんなご縁が重なってパリ在住のアーティスト Kiichiro Ogawa さんにデザインをしていただき絵画のようなペンダントトップを制作させていただきました。

design by – Kiichiro Ogawa –

とても珍しい発色のスターサファイアはカッターがコレクションとして保管していた石。
一見は単色の黒い石にも見えますが光で透かすとパープルやオレンジの色味が見え、ブラックのルチルインクルージョンが内包されたとても個性的なスターサファイアです。

強い光を正面から当てると鮮明で力強いスターが現れます。

このスターサファイアを Kiichiro さんの描くぐるぐるに見立て
朽ち果てた木のような額縁
血管でつながれたような石枠
石の配置などのイメージをデッサンを交えて伝えていただきました

次の日、まずは参考になりそうな朽ち果てた木を拾ってきて、質感や雰囲気を頭に記憶する

Kiichiroさんの描いたデザインの寸法やイメージを含めてそれらしい立体感のでるラインや形を何個も書いていき、以前展示会でみた他の作品や本などをみて世界観を感じとり、全体のイメージを決めていく。

口で伝えるのが難しいラインや雰囲気などは絵に書いたりして伝える。
思いついた時に落書きのように書いてしまうので上下が無茶苦茶になり、いつもどこからみたらいいのかがわからくなるような難解なものになってしまう(笑)

様々な形や粒、ランダムに切った細い棒状のシルバーを並べて溶かし、自然に出来た形から木のような質感が出せそうなものができました。

これを切って朽ち果てた木で構成されたような外枠を作りました。

外枠と石枠をつなぐ血管のような線もシルバーを溶かして自然に出来た形の中からほどよいラインのものを選び、立体感や動きが出るように少し削ったりして血管ぽい感じを出してみました。

これをつなげて枠が完成

バチカンの位置を後ろ側に二つ付けることで一層 額縁っぽさが増すことに気付き、デザイン画の通りの位置と、更に後ろに二つのバチカンを付けてみました。

仕上がった後に実物をみていただき、後ろに付けた二つのバチカンのバランスを気に入ってもらえたので最終は上についた方をその場で切り落とし、完成となりました。

*下の画像は切り落としたバチカン部分を編集処理してみました。

いままで挑戦したことがないようなアート的な雰囲気や質感など自分たちでは想像もつかなかった新しい形でのデザインでしたが、キーワードに沿って考えるのも楽しくて、やってみると不思議と形になっていく奇跡を感じました。

Kiichiro OgawaさんのBIOGRAPHIE に

「作品そのものよりもその周辺に起こる現象が結果として作品となるアーティスト。生きること自体がアートであり、誰もがアーティストであり、人生を謳歌することの素晴らしさを一人でも多くの人に伝えたいと日々考えている。」

とありますが
まさにこの通りKichiro さんに触れることでこちらに起こった現象がアートそのものとして作品になったように思いました。
この経験を生かしてまた新しいカタチがはじまるような進化へのきっかけをいただけたように思います。

日本で展示会中のお忙しい中、デザインをしていただいたKiichiro Ogawaさんに心から感謝いたします。

現在はパリに戻られて活動をされていますが、Kiichiroさんの作品や世界観に触れる機会があればぜひご覧いただけたらと思います。
また日本での個展をされることがあると思いますのでその際はぜひ足を運んで作品や世界観を体験してみていただけたらと思います。

小川 貴一郎 / Kiichiro Ogawa
@barracks_anonymous_design_gang
HP : https://barracks.ooo/

BIOGRAPHIE
6歳の頃、ロンドンのパンク・ロッカーが着る革ジャンの背中に描かれた骸骨に強烈な影響を受け、洋服に描き始めたのが芸術との出会い。周囲の小学生が画用紙に絵を描いている中、一人洋服や鞄、家具 壁 ひいては誰かの描いた絵の上に絵を描いていた。大学卒業後22年間建築の世界に従事した後アーティストに転身。現在は現代美術の画家として活動。絵具を使わずペンキを用いるのが特徴。カミソリのようにはりつめた空気の中作品に触れず一瞬に描きあげる様子から、その姿は「空気に描く」と表現される。 独立後すぐ台北マリオットグループホテルアートワークにはじまり、パリでの自身の個展、同じくPARIS JAPAN EXPOでのアートパフォーマンス、F.I.T. (ニューヨーク州立ファッション工科大学)での講演やベルギーの花器メーカーDOMANIとのコラボレーション他、海外での活動が多数。 2018年イタリアのメゾンブランドFENDIのPEEKABOO BAG誕生10周年を祝うプロジェクトにて、FENDIより世界の5人のアーティストに選ばれ 自身でカスタマイズした世界にたった一つのPEEKABOOを発表したことが話題となる。2020年にPasseport talent(才能ビザ)を取得し渡仏。現在はヨーロッパでの活動を主軸に、パリにて制作活動を行う。作品そのものよりもその周辺に起こる現象が結果として作品となるアーティスト。生きること自体がアートであり、誰もがアーティストであり、人生を謳歌することの素晴らしさを一人でも多くの人に伝えたいと日々考えている。
1970年大阪生まれ 著書に「監禁芸術」